江戸時代初期の遊行僧円空の作品である。円空は若くして母を洪水で亡くし、その供養のため仏門に入り、30歳を過ぎてから布教伝道により庶民の嘆き苦しみを救おうと、辺境の地を巡ったと伝えられている。その足跡には数多くの作仏が残され、青森県内では十数体発見されている。
円空仏の特徴は、一本の素木をそのまま鉈で裁ち彫り上げ、仏像彫刻の伝統にとらわれないところにあるといわれているが、この像にも無限の生命感があり、素朴さと暖かさの中に祈りの心が秘められている。
指定物件は、円空の比較的初期の作と考えられており、宗教的信仰と慈悲の心が率直明快に表現された貴重な作品である。
